パワーを求めて3000里。( 2002.12.12 )
<前置き>
前回のこのコーナーでピストンが溶解するなんていう貴重な経験をしたわけだが、アレからの変化といえばピストンをキタコの88ccウルトラ用に戻して乗っていたくらいだ。比べてみれば一目瞭然だが、武川のレギュラー106cc用ピストンとキタコの88ccウルトラ用ピストンでは、ピストントップの山の形が全く違う。これは画像を見てもらうとしよう。ご覧の通りである。当然圧縮もヤマの分だけ武川が高くなるのも想像に難しくない。
 武川ピストン キタコピストン
結局なんでこうしたかというと、武川ピストンを組んでいた時は、エンジンが冷えた状態だとシリンダとヘッドの間からパンパン排気漏れしていた。で、これは圧縮が高すぎちゃってるんじゃないか?と思ってキタコのものに換えたのだった。圧縮って高いほどいいようだが、高すぎても色んな危険が伴ってくるのでやはりそれなりの値に留めておくのがベターなのだ(当然) それは予想だにしない大問題の要因となりかねる(マジ) 他社製品を組み合わせる場合はハイリスクだということを覚えておいてもらいたい(テストに出るよ)
<目論見>
↑のタイトルを「もくろんみ」と読んだアナタは勉強不足かもしれない(ぼそ) よそで恥をかかないようココでしっかり覚えていって欲しい(なぞ) 冗談はさておき、やっぱりアレですネ、こういう大きいトラブルに遭うとちょっとメゲちゃいますね、気持ち的に。特にそれが凡ミスだったりしたら尚更なのだ(タダじゃないしね(泣)) まぁそんなことでメゲるワタシじゃないので(多分)、性懲りもなく更なるカスタムを考えたのだった。クラッチを5枚化するか。更なるボアアップを目指すか。いっそ武川に浮気(なぞ)するか。DOHC化するか(しないしない) どれをとってもカナリの金額が求められる。なんか、ダメよね。そうじゃない。そうじゃないんだ(なぞ) と呟いていると、ふとアドバイスされたのがボーリング!ご存知の通り、コロコロ転がすアレではない(なぞ) そう、現状のパーツを加工して更なるパワーアップを望むというものだった。なんでも世の中では54φのシリンダーが存在すると言う。今はキタコの52φ。コレはやるしかないね!そう決意した日からピストン探しが始まった。
<ピストン選び>
カスタムショップを転々としながらまずは情報集めに専念する。コレって結構大変だけど、とっても大事アルネ。現物をあてがって寸法比較するわけにはいかないので、とりあえず売ってる品物をよ〜く観察してつきそうなものを探す。大事なのはピストントップの形状と、ピストンピンからピストントップまでの距離。54φでいくと、売られているのは武川のレギュラー・スーパーヘッド・DOHC系。いわゆる124cc、115cc、95ccキット。あとはキタコさんからウルトラ用の肉抜きピストンあたり(117cc)。キタコのはかなり軽量化されてるらしく16000rpmも実現できるとかなんとか書いてあって、回し野郎(なぞ)の自分にとっては、ぉ!( ゜Д゜)となったのだが、初期ロットってこともあって今回は見送り。ヘッドがキタコのウルトラなので、それに合うピストンを探したのだった。 前回、溶解したピストンは武川の106ccレギュラーヘッド用。コレの115cc用は出てないのか?と思って探してみたが見つからなかった。どうやらラインナップから消えているご様子。しかし、隣に載っていたR-Stageは54φピストンが出ていたのだ。そこで、R-Stageの52φピストンとレギュラーヘッド用の52φピストンを見比べてみると、なんと部品番号が同じだった。コ、コレは…( ̄ー ̄) 淡い期待を抱きつつ武川のカタログを見ると、ピストンのサイズが詳細に載せられていた。コレはありがたい。ピストンピンの位置は、今までつけていた52φとほぼ同じ。トップまでの距離は少し少なくなっている。コレだ!ということでR-Stage用の54φ購入となった。52φよりピストントップが平らになっているので圧縮の問題も多分大丈夫だろう(アバウト) 結局これもある意味冒険だったが、溶解事件で飲まされた苦渋の思いの甲斐(なぞ)もあって、だろう運転で乗り切ることにした(危険) ピストンキット(リング・ピン・メタルガスケット付)で1万円ちょっとであった。
<ピストンが決まれば…>
ピストンが決まってしまえば、後はそれにあうようにシリンダをボーリングに出す。ボーリング。しつこいようだがコロコロ転がすアレではない(なぞ) ボーリングと言えば巷で有名な、井上ボーリングさんに依頼することにした。名前がまんまなのはこの際目をつぶっておこう。電話で少し相談したところ、やはりモンキーエンジンに54φは相当無理があるとのこと。出来れば52φまでにしといたほうがいいよ?と言われたが、ピストンを買ってしまった手前、もう後には引けない。今ならウチで作ったスペシャルシリンダ52φを12000円で売るよ?とオヤジさんから駄目押しを食らって多少よろけてしまったが、なんとかのこして54φの加工をお願いしたのだった。土俵際で寄り切られなくて良かった。加工代は約2万円かかるとのこと。スリーブも打ち換えてもらって公差も自分で決められるなら決して高い買物ではない。ちなみに公差は0.03mm。一応、街乗り仕様だ。
<腰下も見直しますヨ>
腰上の更なるカスタムによってパワーアップするのはいいが、このままで腰下は大丈夫なのか(ぼそ) 当然現状のままじゃよろしくないだろう。クラッチはスペクラとは言え旧タイプの3枚だし、キックギアも問題があると言われているAタイプのまま。何を隠そう、実はこの時までにキックギアの異変に気付いていた。前々回のオフ会に参加するべく、勢いよくキックしたら、なんとも嫌な異音がしてキックが戻らなくなったのだ(汗) その場は押し掛けで凌いだが、それから何度かおかしいな?と感じたことがあった。腰下のオーバーホールは結構な手間がかかるからなるべく避けていたのだが(避けてる場合じゃない)、ココまで来たら1から見直そうと言うことで全部バラすことにしたのだ。大分前に取り上げたが、現在腰下はクランクケースだけ6vモンキーのものを使い、他はベンリィのパーツを組み込んだ、いわば2個1エンジンなのだ。数々のトラブルを乗り越えてきたとは言え、コレは不安要素になりかねない。そこで新たにモンキー12Vエンジン(腰下のみ)を購入し、ソイツをベースにすることにした。ミッションがモンキー用の為、モンキーエンジンを使うのが一番の近道だったのだ。そして消耗品はすべて交換。クラッチのフリクションディスクやベアリング、ガスケットはもちろんことノックピンやシール類も新品交換。 シリンダのボーリングに伴い、クランクケースにもボーリング加工が必要な為、コレも井上ボーリングさんに依頼して削ってもらった。さらに各ベアリングも見直し、ミッション部のベアリングの打ち換えも同時に行った。さらにクランクシャフトの芯出しとベアリング打ち換え。ここで使ったベアリングはC4ベアリング。某社から発売されている超高速ベアリングなどに比べて、安くてモノがいい。その辺を入れるなら是非試してみてもらいたい。これで高回転時の振動が大分少なくなるだろう。フリクションの低減はチリツモである(名言)
<組み込み組み込み>
すべて加工を終え、帰ってきた我がパーツ達が揃ったところで組み込み作業にかかる。今回は慎重に作業したこともあって特に問題なく組み上げる事が出来た。途中、加工が必要だったのはクラッチが6V用だった為、多少クランクケースに干渉してしまう部分があったことだ。それは削って難なく解決(棒ヤスリでシコシコ)。更に加工したシリンダのノックピンを入れる穴にスリーブがかかってしまい、ピンが入らなかった。一時的にピンを削って対処したが、後にシリンダの穴を拡大して対処した。組み付けで特に気を使うのがガスケット部の脱脂。コレがあまいとおもらししてしまうのである(マジ) パーツクリーナーを惜しみなく使って十分脱脂し、液体ガスケットも駆使して組み上げる。しかしなぜかオリフィス付近のシリンダとクランクケースの隙間からオイルが滲み出てきてしまった。何度組みなおしても直らないので某氏に連絡をとりヘルプを頼む。そして某氏の力によってオイルの滲みを止め(感謝)、晴れて組み込み完了となった。どうやらオイル漏れの原因は、シリンダのオイルラインの形状が特殊な形をしており、オリフィス出口の出っ張りと干渉して、シリンダが少し浮いてしまっていたようだ。
<災難は続く>
車体にエンジンを載せ、各コネクタを繋ぎ、オイルクーラー、キャブ、プラグキャップなどを装着してキックすること数十回。全体にオイルを回したところでエンジンを掛けてみる。玄関の中で作業していた為、物凄い爆音が玄関内に反響し、家族から苦情の嵐を浴びるも(もう慣れっ子)、なんとか笑顔で乗り切って少し吹かしてみる。回転が軽い。アイドリング音も心なしか少し大きくなっている気がした。少しそのままアイドリングさせ、エンジンの調子を見るついでに灯火器のチェックを行う。テールライトが点いていないので配線をチェックすると断線している模様。新たにラインを引きなおして対処。なんてことはない。 暫くアイドリングしていたせいで軽く一酸化炭素中毒になりかけたが(汗)、とりあえずエンジンがかかったということでその日の作業は終了。 そして後日、いよいよ実走テストを兼ねて家を飛び出してみると、どういうわけか回転が上がらない。以前あった、点火時期が遅れた時のような症状だ。多少(実は大分)ゲンナリしつつも、原因を突き止めなければ解決にならない。エンジンは組んだばかりなので問題はないはず。だとすると車体に取り付けられている電気系統が原因か?と思い、色々チェックしたがどうにも原因らしい原因が分からず途方にくれていた。そしてプラグの火花の飛び具合を観察しようと、プラグを外し、プラグキャップをもってキックしてみたところ、手に異常な程電気が走った。お・か・し・い!そう直感したのが先か後か定かではないが(なぞ)、すぐさまノーマルのプラグキャップに換えてエンジンを掛け、クイッと吹かしてみる。ブーーーーーーン!(昇天) 謀ったな、スパークエキサイター!(怒) なんていうか、コイツに泣かされたのはコレで2回目。もう使わないよ。もう使わないんだから。要するにプラグキャップからのリークが原因で火花がきちんと飛んでいなかったようだ。はぁ、疲れる。
更に災難は続く
<トラブルに終わりはない>
無事にオフ会に参加し、慣らし中とは言え十分楽しく走ることが出来て満足だった。早く慣らしを終えて全開にしてみたいと思いつつも、週末の悪天候が続き中々乗れる機会がなかった(泣) そして迎えた11月3日。青山のホンダウェルカムプラザにて開催されたカフェカブに参加した。去年は悪天候で不参加を余儀なくされたが、今回は寒かったものの天気は良かった。期待通り、300台(もっと?)近いカブが集まり見所満載のイベントであった。カブの集まりだけにベンリィは蚊帳の外って感じがしたが。 一通りのプログラムが終わり、帰路についた我がベンリィを待っていたのはまたしても災難だった。突然のエンジンストップ。どうやっても火が飛ばない。応急処置として出来ることをやり尽くした時点で修理は諦め、一度帰宅してから軽トラで車体を回収したのだった。
最早コレは最大のオチである。ワタクシのベンリィライフは最早ネタだらけになっているのは気のせいだろうか。気になって夜も眠れない(うそ) ってことで、とりあえず次回は謎のエンジンストップの真相について語りたいと思ふ。
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