2010 四国・中国ツーリング記
<五日目>

( 2010年 5月 3日 (月))

※今日の記事はツーリングではないので飛ばしたい方はコチラから次へどうぞ
■ 農夫に変身
 起床は6時。早寝早起きが基本の農夫となった以上、ぐぅたら生活は許されない。と、勝手に解釈して早起きしてみると、従兄弟は当然起きていた。さすが、ここは時間の流れが違うな。

 しっかり健康的な朝食を摂った後、出発。今日の作業はとうもろこしの苗を植えること。ついでに畑の畝の整備もする予定らしい。収穫までの全行程で、一番キツい作業を手伝わせるとは、確信犯だよね(笑)(いや、単なるタイミングの問題だったんだけど)

 軽ワゴンに乗り込んで畑へと向かう。まずは苗を取りに協働者のビニールハウスに寄り、鍬も借りて畑に向かう。

 畑は、思ったより狭かった。一人でやるのはこのくらいが限界らしい。んー、そんなもんなのかな。とはいえ、家庭菜園の比ではないんだけど。

 数日前に降った雨のせいで、幾らか泥になっている部分がある。これが重くてしんどいと言うんだが、何のことだかピンと来ず、とりあえず言われたままに作業してみる。


奥の畝のように、全てにビニールを被せていく

植えるのは種ではなくて苗
これは別の日に育てておくそうだ
 鍬を使って畝の両脇の土を掻き出し、溝を切るようなイメージでならしていく。そしてそこにビニールを敷き、土を元に戻して飛ばないようにする、というのが一連の流れ。ただ、両サイドからビニールを引張るようにして留めていかないと、風などで暴れたり効果がなかったりする模様。ちなみにこのビニールは雑草避け&土の保湿の為なんだとか。

 意気揚々と作業を開始するが、すぐに汗が滲んでくる。同じ作業の繰り返しだが、中々どうしてしんどいじゃないか。畝は一本あたり50mはあるだろうか。ふぅと一息ついて先を見ると、半分も終わってないから泣ける。

 そんな作業を繰り返し、5本の畝にビニールをかぶせ、持ってきただけの苗を植えたら10時を過ぎていた。おおお、なんか健康的だぞ!(笑)


分かりにくいけど、奥の畝が増えている
手前にはまだこんなに畝があるんだけどね…
 上の画像でも分かると思うが、今日も快晴の為、日が高くなると日差しがきつい。畑の土はどんどん乾いて白く変色していく。そうなると、水分が抜けて軽くなるのだ。サラサラに乾いた土の部分と、泥状になっている部分では、鍬でひと掻きした時の重さが倍以上違う。なるほど、さっき言ってたのはこのことだったのね。

 とりあえず、一人でやったらこのくらいは進む、という作業までは終わった。ここからは二人ならではのプラスアルファになるという。おっけ。ノルマ達成とあれば、少し休もうか。

■ 休憩と称した観光
 従兄弟の気遣いで、ちょっとシャレたもんでも食べに行こうということになり、隣町の津和野の牧場に行くことにする。ま、個人的にはうまいもんなら何でも歓迎なので、ちょっとしたドライブくらいなら余裕で付き合うぜ!

 山並みを見ながら田舎道を流す。軽ワゴンでタオル巻いた姿なら、誰しも地元農夫だと思うのだろう。結構な勢いでバンバン抜かされるが、全く気にならない(笑) もちろん、ツーリングバイクも多数通るので、連なるバイクに抜かれることもあるが、地元民の抜かれる思いを初めて味わった。全然気にならないもんなんだねぇ(笑)


のどかな田舎道をひた走る
車窓から入る風が心地よい
 30分ちょっと走ったんだろうか。乗ってるだけだとどこにいるのかサッパリわからないが、農夫仲間が教えてくれたという牧場に到着する。特に目立つ看板もなく、一体ココはどこなのよ!?といった感じであったが、思ったよりも車が多く、人が沢山居て驚く。みんなどっから集まってきたの?(笑)


手前にはフラワーハウスがあり、奥にはBBQ場
牧草地や芝生の広場があり、家族連れで賑わっていた
 目的は炭火のハンバーガーだったんだが、なんと13時からじゃないとやらないらしい。只今12時ちょい前。交渉するとちょっと早く開けてくれるということになったので、ソフトクリームでも食べながら待つことにする。こんなんでも牧場だからね、ソフトクリームは売りなはずさ。


バラソフトなるものもあったがここは無難にバニラ
牧場モノの割に実に普通だった
 あまり、期待してはいけないのかもしれない(笑) 味はそれなり、普通に美味しく食べられた、とだけ書いておく。まぁヒマ潰しだからね、この暑さだし、コレはコレでいいんじゃないの(笑)

 農業の話やらバイクの話に華を咲かせ、ボチボチ時間かな、と思い店にいってみるとOPENしていた。早速、お目当ての炭火バーガーとやらを注文。1,200円は安くないけど、自家製パティ&チーズ、新鮮牛乳付、とあれば、まぁ妥当なのかな。

 小洒落たテーブルに案内されて、待つ事数分、出てきました。はてさて、どんなもんかな?


見た目は立派で、うまそうな雰囲気
 二口ほど食べて、従兄弟と顔を見合わせる。んー、これって普通だよね(笑) 仲間農夫は感動したと言っていたのだが、都心でバーガー慣れしてる俺らには、この程度じゃ驚かない(笑) 言ってみれば、パティ自体に味がないのが一番ダメだったかな。炭火のニオイしかしない感じ。チーズも自家製特有の濃さがあるわけでもなく、普通だった。牛乳も特筆するほどうまいわけじゃなく。これじゃ首都圏じゃ生きられないね。なんて生意気な感想を言い合って店を後にする(笑) いや、でもおなかは一杯になったけどね。

 帰り道、津和野と言えば稲荷神社ということだったので、街並み拝見と、参拝に行ってみる。昔ながらの城下町がまだ残っており、道端の川に鯉が泳ぐ風情のある街並みだった。幾つか名店を案内してもらい、地元ヅラしてクルっと観光してみる。


よくある雰囲気って言ったらそうなんだけども
 その中で、従兄弟がオススメする稲荷寿司屋がある。かなり有名らしく、昼過ぎには完売してしまうらしい。試しに寄ってみたら、準備中とかいてあり暖簾がしまってある。でも構わず入っていく従兄弟(笑) 流石は地元民。

 「おばちゃん、お稲荷さん、もうないかな? 1個か2個でもいいんだけど」

 ダメ元だったが、なんとか1パック(10個入)を入手できた。稲荷寿司は大好物。今夜にでも食べることにしよう。


小さな店だが客は満員。大盛況だった

真っ黒な稲荷。美味しさは間違いない
あとで食べたんだけどね
 街並みで気になったのは、昔軍隊でも正式採用されていたという薬屋。ここの胃腸薬はかなりの効き目らしく、どんな不調も一発だとか。生憎、胃腸に困ってなかったので試さなかったが、お困りの方は訪ねてみてもいいかもね(笑)


高津屋というらしい
昔ながらの作りで、表に胃腸薬の看板がドカンと出てる
 その後、山の中腹になる稲荷神社へ。かなり昔の記憶で来た事があるような気がしたが、津和野と言えばここは外せない観光スポットらしい。立派な神社だったね。参拝客も多数。

それはそれは立派な神社でございました
 時間は15時に近くなる。そろそろ日も傾くので、畑に戻ってもう一仕事しようか! そう、今日は農作業の日。観光は程ほどにしなきゃね。

■ 体力の限界
 畑に戻ると、日中の日差しのお陰で濡れた土が結構乾いていた。これなら作業は楽である。既に一人で畝のビニールを張れるレベルに達しているので、従兄弟は別の農機具で土を書き出している間に、2本の畝を完成させた。でもね、マジ汗だくレベルの体力消費。ダメだ、そろそろ限界!(笑)

 長袖長ズボン、足は長靴が基本なわけだが、汗ばんで袖が手にくっついたせいか、虫に刺された。恐らくブヨだと思うが、これがまた酷い腫れを起こし、左手がドラエモンの手の如くまん丸になってしまう。かゆさも相当で、下手な軟膏じゃ効かなかった。コレには参ったね。ま、従兄弟もバッチリ刺されてたんだけど(笑)

 汗だくの身体を洗い流すべく、帰り道にある温泉に寄る。ここは間欠泉を沸かしているらしく、まっ茶色のお湯は湯治にかなり効果的らしい。かなり小さい温泉だったが、疲れと汗を流してスッキリ。座敷でオススメのかけうどんを啜ったら、一日の労働に心地よい疲労感を感じた。うん、実に健康的だね。

 18時前に帰宅し、21時前に近所のラーメン屋に出かけて夕食。明日には発つので実質最後の晩餐となったが、残念ながらここではグルメなものにありつけなかった。まぁしょうがない。次回来た時はもうちょっと下調べしてくることにしよう。


ラーメン屋なのにおでんがオススメと言われ…(笑)
 夜は、翌日の準備。荷物もある程度積んでしまい、明日のルートを考える。予定としては日本海側を走って琵琶湖の辺りで一泊できれば理想かな。と思っていると、友人が出張で奈良に滞在しているという。そこに合流する話になり、そこまで目指すことになった。この感じだと明日は距離が延びそうだ。早めに就寝、早起きしてここを発つことにしよう。

 貴重な農業体験、とてもいい経験になった。農業は予想通り甘いものじゃなく地味な作業が多いのでセッカチな自分にはちょっと向かない気もしたが、自然に依存し自然と共に生きていくことの満足感は中々高かった。仕事にするのは自信が持てないが、選択肢としては十分アリだと思った。そして、普段野菜は買う側だが、作る側からすれば安いもんだと思った。とうもろこし一本200円だって安いと思うよ! 今後野菜を買う時は、感謝して買うことに決めた(笑)


▼ 本日の走行距離:0km(給油0回)
▼ 本日の一言:野菜は幾らだって高くない!(笑)


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