2010 四国・中国ツーリング記
<四日目>

( 2010年 5月 2日 (日))

■ 一人旅へ
 起床は5時半。硬い土のサイトは、あまり寝心地がよくなかったが、早めに就寝した分だけ、睡眠時間は稼ぐことが出来た。森の中の、なかなかスッキリした目覚め。

 今日はこのグループとも別れ、島根入りするのが最終目標。若干移動に徹する強行軍になりそうだが、しまなみ海道などそこそこ観光予定もある。何より一人という気軽さもあるので、マイペースで行くことにしよう。

 日清の乾燥麺技術に舌鼓を打ち、簡単な朝食が済んだらさっさと出発準備。天気予報は相変わらずの快晴。今日も快適ツーリングが約束されたようなもんだ。バイクとサイトを何往復かして荷物を積み込み、7時すぎにはキャンプ場を後にすることが出来た。無料とは思えないクオリティだったこのキャンプ場。またいつか、来れる日が来るといいな。お世話になりました。


バイクはすぐ下の敷地内に停めれます
 昨夜、立ち寄った日帰り温泉を横目にR56に向かう。自分はここを右折。皆は左折。よい旅を!と手を挙げ、交差点をそれぞれに別れる。無事に返ってまた横浜で会いましょう!

■ 気ままに観光
 さて。と気持ちを引き締め、R56を北上する。まずは松山市街を抜け…と思ったところで、あ、昨日断念した道後温泉だけ見て来ようかな。右折して国道を逸れ、地図を頼りに道後温泉に向かってみる。

 松山市街は、路面電車が走っていた。基本的に車の信号と同期しているようだが、右左折時にどちらが優先になるのかはよく分からない。まぁ普通に考えたら電車が優先なんだろうけどね。


国道のど真ん中を走っている
便としてはバスみたいな位置付けなんだろうか
 道後温泉駅前まではすんなり到着。ほほぅ、朝8時過ぎだというのに結構な人手である。こりゃ大人気スポットだな。とりあえず、目の前にあった、坊ちゃん汽車なるものを撮影。これはこれで有名なのかな? あまり下調べしてこなかったのでよく分からない。(笑)


子供達もはしゃいでますな
 そこから少し奥に進むと、例の本館がある。大賑わいなのですぐに分かるが、なんとまぁ凄い行列だこと。GWだからこそかも知れないが、風呂に入るのにそんなに並んじゃうのが凄いよな。建物自体は風情があるというか中々立派な感じで、千と千尋のアレっぽい感じだった。え?これがモチーフになってるから当然なの? そうだよね、そんな気がしてたよね。(笑)


千と千尋のはもっと高かったような?
朝8時で見ての通りの大混雑
 写真だけ撮りたかったので、路駐してササッと撮ったんだけど、すぐ混雑するから停めるなと警備員が寄ってくる。これだけ観光客がごった返してると、なんとも複雑だぁね。長居する必要もないのでさっさと退散。今度は空いてる時に来てみたい。

 R56に戻って北上。今日は移動距離があるので、早め早めの行動を心がける。幾つか県道を経てR193へ。海沿いを通ってしまなみ海道へと進むことにする。今日も天気が良く大変心地よい。飛ばす地元のバイクを横目に、左車線をマイペースでトコトコ走る。ん〜、バイクだとこれだけでも楽しめちゃうのが良いよね。


朝から贅沢時間を過ごせている
■ 本州入り
 四国と本州を結ぶ道路は、往路で通った明石大橋と、随分昔に話題になった瀬戸大橋。そして、今回走る予定のしまなみ海道の3つがある。唯一しまなみ海道だけは、大きな橋が一本というわけではなく、島々を結ぶ幾つもの橋で構成されている。その分、距離も長く、値段も高い。

 この橋の特徴は、1車線が自転車や歩行者、更には原付などが走れるスペースが設けてあり、それらでも橋を渡れる作りになっている。島々を渡りながらサイクリングする話は、以前耳にしたことがあったが、なるほどこれは快適なサイクリングコースになりそうだ。当然、かなりの数のチャリンカーが走っていた。

 次々現れる橋は、特に大きくはないもののそこそこ見ごたえがある。形も様々なので見ていて飽きない。何より、橋の上から見る瀬戸内海の島々が綺麗で、景色を楽しみながら快走できる。


風はそれほど強くなく、快適
橋の上は2車線なので、速い車はどんどん抜いていく

色んなタイプの橋があるわけだ

ベイブリッジからつばさ橋まで?みたいな
 途中の瀬戸田SAで休憩。この先のルート確認と、広島の観光地の調査。ルート的には、このまま福山で降り、そのまま山陽道に乗って広島市外までワープしてしまうことにしよう。瀬戸内海沿いを走って呉あたりも見て回りたかったが、一般道と高速じゃ時間的に大きな差が出てしまうので断念。何より、広島観光で予定していた宮島が、フェリーで渡らないと見れないという事実を知ってしまったので、より時間にゆとりを持つ方向でルートを引く。

 適当に記念撮影した後、冷たい缶コーヒーをやっつけて出発。時間はまだ10時半。お昼時には広島に入れるかな。


ホントにもう青すぎて申し訳ありません
■ 広島、初上陸
 しまなみ海道が終わり、そのまま進んでいくとR2に降りるのだが、これがバイパスになっており山陽道までもあっという間。福山西ICで山陽道に入ると、後は西進するだけ。車のペースは100km/hがせいぜいで、マッタリ走ることが出来る。2車線なのと車が多いのでペースは上がらないが、渋滞しているよりはマシだよね。

 オドメーターが180kmを超え、ガソリン残量が気になる頃、小谷SAで給油。市街地に入る前に給油できて一安心。

 一息入れたら再び山陽道に戻り、広島東Jctで広島高速1号線に逸れる。広島東Jctを先頭に10km程渋滞していたが、2輪にはなんら影響はなかった。広島高速は新しいのか道がかなり綺麗だった。東雲ICで降りると、久しぶりの一般道。広島発上陸!に少しだけ胸が高鳴る。

 市街地は走行に気を使う。何しろ標識の行き先が全方向不明とかザラだし、とりあえずの目的地である原爆ドームは、繁華街の中にある模様。一方通行や大型交差点、そして堂々と走る路面電車に圧倒されながら、慎重に進む。


路面電車は2車線あるくらいなので松山市街のより発達してる感じがした
これは古い車輌だけど未来的なデザインのものも見かけた
 広島平和公園は、フラワーフェスティバルとやらで賑わっていた。当然ながら観光客も多い。特に原爆ドーム周辺は外人も多く、沢山の人で溢れている。

 駐車できるスペースを探しながら一周してみても、らしいところが見つからない。こんなところで違反とられるのは悲しいのでなるべくちゃんと駐車したいが、広島の一等地にそれは見つからなかった。仕方がないので、公園の裏口?みたいなところにちょっと停め、ササッと撮影してきた。

 原爆ドーム。初めて見たが、思ったより小さい。それより、その雰囲気だよね。100年近く前に起きた事実が、ここに残っているということ。建物の周りは柵があり、すぐ側まで寄れないものの、瓦礫に囲まれたその姿は十二分に雰囲気があった。コレは見ておいて損はないね。


一周ぐるっと回って撮ったけどよく見るのはこのカットかな
一度実際に見て、このオーラを感じたほうがよい
 暫く、このオーラにやられて色々考えてみたりして。原爆資料館も中々アツいとのことだったが、事前の調べでHPから色々読んでたら気持ち悪くなってしまったので今回は遠慮しておいた。戦争の悲惨さを語る資料は色々読んだり調べたりしてきたつもりなので、旅の途中でブルゥになってしまうのは避けておくことにする。また今度、ゆっくりね。

■ 昼飯でひと悶着
 さて、と。丁度時間はお昼時。広島と言えばお好み焼き! 先程、しまなみ海道でメールしておいた友人が、美味しい店をチョイスして教えてくれた。早速ネットで情報検索してみる。んー、かなり商店街っぽいところのようだが…行ってみることにしよう。

 繁華街の大通りから一本中に入ると、歩行者天国のような狭い路地に迷い込む。当然一通ばかりで標識は見逃せない。ここまで細かいとツーマプでは対応できないのでiアプリのGooglemapを頼りに近くまで行ってみる。ぬぅ、この辺なんだけどなぁ〜と思った店は建物の反対側、なんてことはよくある。お!あった!と思ったら…


御覧の通りの長蛇の列
バイクを停める場所もないので涙の勇退となった
 流石は地元民情報、みんな分かってんだな。人気店ってのはこれがあるからねぇ。仕方ない、教えてもらった、もうひとつの店舗を探してみよう。

 こちらも中々どうして裏通りにあるらしい。R2沿いに走り、タイミングを見計らって左折してみるものの、アッサリ行き過ぎる。Uターンも中々大変で、大きくグルッと回り込んだりして、ここだろ!と思われるところに到着! お!こっちは混んでなさそうだぞ!


人通りのない路地なのは想像付くと思うけど…
 こんな張り紙がしてあった。「連休中はお休みさせて頂きます」。おーい!!おおおおーい!!連休中はむしろ稼ぎ時だろっ!!との思いも空しく、撃沈。あぁ、お好み焼きが遠のいていく。腹が減って少しイライラしてることもあり、諦めモードだったが、サイト情報を見てると、「お好み村」の文字が目に付く。また繁華街の中に迷い込むのはごめんだが、最後のチャンス、行ってみることにした。

 歩行者天国に入ったりしてUターンしながらなんとか到着したソコは、先のみっちゃんのはす向かいだった(笑) こういうのって、疲れがドッと出るな。バイクが駐車してあるところに紛れ込ませ、さっさとお好み村とやらに入ってみる。


思いっきり繁華街のど真ん中
横浜で言うところのラー博みたいなモンだね
 下調べも何もないので、適当に2階に入ってみる。ところ狭しと並んだ店はどこも、鉄板兼カウンターのコの字型のテーブルで、真ん中に調理人がいる感じ。作っているところを目の前で見れるのはいいが、6畳間くらいの店がひしめくだけあって、熱気が凄い。並んでいる人も通路に溢れ、とてもゴミゴミした空間だった。


こんな感じで小さな店がひしめきあう
 どこもうまそうだったが勝手が分からないので、ズンズン進んでみると、一番奥の店は空席があった。そこに座り、オススメで、とおばちゃんに頼むと、そば入り焼きそばを手際よく調理しだす。目の前でどんどん出来上がるお好み焼き。中々に楽しい眺めだった。


カウンターの目の前が鉄板
目の前で手際よくお好み焼きが出来ていく

そば入り焼きそばで760円。とてもおなか一杯になった
何故かマヨが有料で30円だったかな
 ちょっと足りないかな?と思ったけど、十二分に満腹になる。結構なボリュームだったね。味は、雰囲気のせいかやっぱり美味しく感じた。目の前で焼いてくれるお好み焼き屋って、あまり行かないから比較のしようがないんだけど。某チェーン店のソレよりは断然うまかった。後から来た青年が、そば入り、イカ天、イカ、肉、もやしと物凄いトッピングでオーダーしていたが、その盛り上がりたるや山のようであった。君、イカが大好きなんだな!(笑)

 膨れた腹を抱えて、さっさとバイクに戻る。路駐スポットとはいえココは繁華街。無用な違反は避けなきゃね。

■ 食べた後はしっかり観光
 広島市街に別れを告げ、R2を南下。途中、バイパスを交えながら「宮島」の看板を狙って混雑する国道を疾走する。途中からこの渋滞が物凄いことになり、流れがほぼ止まる事態となる。流石にこの流れの悪さには閉口し、仕方なくすり抜け開始。トラックも多く、度々停まらなければならないので、中々進まない。なんとなくの予感は、見事に的中。案の定、宮島渋滞だった。

 交通整理のおっさんを捕まえて駐輪場を聞くと、すぐ裏にあるという。こんな時でもやっぱり二輪は別枠。助かるね。関東ナンバーが多い駐輪場にバイクを停め、さて、フェリーに乗って宮島に行ってみるかな。

 フェリー乗り場に着くと、また長蛇の列。流石にGWだしね、しょうがないよね。と乗船券を買うと、どうやら船は10分に一本出てるとのこと。これならそんなに待たないね。

 予想通り、次の便に乗船できた。フェリーの移動は10分ちょっとだったんだろうか。海風に吹かれながら僅かな船の移動を楽しむ。


流石は観光名所の人出だね
超満員って程でもなく、すんなり乗船できた
 厳島神社の入り口は見逃したので入れなかったが、一目散に向かったのは、例の鳥居。これを見るためにココまで来たってもんだからね。と思ったが、残念ながら引き潮であった為、海に浸かる姿は見れなかった。でも真下まで行って写真が撮れたからコレはコレでよかったかな。勝手な想像と比べると、実物は大きかった。結構立派なモンなんだね。日本三景のひとつだけあるね。


人がワラワラと沢山いるわけ(逆光失礼)

中々迫力のある面構えでしょ?(笑)
 適当に色んな角度からパシャパシャやってみる。一通り見て周り、グルッと歩いたら、もういいかな。ニットまで着てるライダー装備は完全に場違いで、全て脱いでTシャツでもいいくらいの陽気だった。それから鹿がいたるところに居た。鹿は神の使いらしく、いじめると祟りがあるらしい。そんな豆知識を思い出しながら、宮島を後にする。


何気に真ん中に鳥居を捉えてる。分かるかな?
 フェリー乗り場にてお土産の発送をお願いする。広島と言えばもみまん。広島カープバージョンとかもあり、別にそんなに拘らないが、適当に箱詰めしてもらって発送した。荷物はこれ以上積めないので、お土産は発送に限るよね。

 そんなこんなでバイクに戻り時計を確認すると16時半前。島根まで2時間見て、19時には着けるかな。出来れば日が暮れる前に到着したいとので、そそくさと出発。相変わらず宮島に向かうR2の大渋滞を横目に、反対車線を戻る形に北上し、島根に向かった。


快晴なのは相変わらず。さよならフェリー乗り場。
■ 今日の最終目的地へ
 冒頭で書いた通り、今回の旅の目的の一つは、島根の従兄弟を訪ねて農作業を手伝うことだ。いよいよ、従兄弟の家を目指すことにする。場所は津和野の裏、柿木村の近くなんだが、位置的には山口県に近い。

 地図を見ると、山陽道から回り込むのはかなり大回りなので、県道経由で中国道を目指すことにした。その前に給油したスタンドで、中国道へはどう行けば一番近いか?と問うと、山陽道に乗れという。説明が面倒なのは分かるが、それは現実的なルートではない。地元民の話は当てにならないこともある。

 片側1車線の田舎道をトコトコ走る。途中、暑さで疲れてきたのでコンビニでアイスを齧り、道行く車を眺めて休憩。中国道吉和ICを目指して山道を進む。

 暫く行くと現れるICの看板。指示通りに進み、分岐を山口方面に進んだら、隣りの六日市ICで降りる。しかし中国道、誰もいないね。自分の排気音と風の音しか聞こえない時間が長かった。


日が落ちたら一変して怖い道になるんだろうね
道自体はあまり綺麗じゃない
 六日市ICで降りてから、幼い頃の記憶を頼りに適当に走り、見覚えの景色が出てきたあたりで、無事に到着することが出来た。たまたま家の外に出ていた従兄弟が音に気付いて出迎えてくれ、久々の再会を歓迎してくれた。到着は18時半。日が暮れる前に到着出来てよかった。

 まさか本当にバイクで走ってくるとは思ってなかったようで少々驚いていたが、自分の仲間はもっと遠くまで行っちゃってるからね。こんな乗り方、使い方も、本当にバイクが趣味な人間の証かもしれない。自分でもよくぞここまで来たもんだと思ったしね。


無事に到着
今日は布団で寝られると思うと幸せである
 近くの温泉に入りに行き、適当に食事をしたら今日は早めの就寝。明日は農作業という体力イベントが控えてるしね。しっかり休んで足を引張らないようにしないと!

 今日はしっかり走れてそこそこ観光も出来て楽しく過ごせたね。やっぱり朝が早いと色々有利。そして行き先はもうちょっと絞ってゆっくりと、が理想。ま、今日は移動日だったけど、合間合間でうまく観光できたから上出来だね。さぁ、早寝早起きで田舎の生活に溶け込んでくるか!!



▼ 本日の走行距離:356km(給油3回)
▼ 本日の一言:中々に充実した一日だった



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