2009 北海道ツーリング記
<二日目>

( 2009年 7月 13日 (月))

■ 雨に打たれて
 起床は5時。もうこの時期は4時くらいから空が明るくなる。外の明るさとカラスの声で目が覚めてしまった。この時点ではまだ曇り。今日の天気は下り坂との予報。どの方向に行っても天気はさほど変わらない感じなので、予定通り北を目指すことにする。っとその前に、ここからさほど遠くない富良野・美瑛辺りを見て回ろうか。有名なラベンダー畑を見ないわけにはいかないからね。

 フェリーの夕食用に買った残り物のおにぎりを食べ、手際よく撤収。30分ほどで準備完了。まずはR38で富良野方面に向かう。


今にも降りそうなどんより空
 一時間も走らないうちにスクリーンにポツポツ水滴が付き始める。降ってきちゃったなぁ…と思っていると急に本降り。たまらず合羽を着込む。予想通りとは言え、やっぱり雨はいいもんじゃない。しかも気温が低くて寒い。合羽を着ているにも関わらずゾクっとする寒さだった。(その後見た電光掲示板では15℃の表示が。寒いわけだ)

 しかし止まるわけにも行かないので、そのまま突き進む。R237を左折して中富良野方面へ。看板通りに「ラベンダー畑」を合言葉に進むと見えてくる彩香の里。丘の斜面にラベンダーがダーっと植えてあった。中々に綺麗な感じだった。


晴れてりゃもっと綺麗だったんだろうねぇ
 駐車場に設置された小屋?みたいなところで雨宿りするも、一向に雨脚は衰えない。コリャ今日はずっとこんな感じなのか? 携帯で予報をチェックしてみても、雨マークは消えない模様。あう〜、頼むよぉ〜。普通に下がるテンション。とりあえず、近くの富田ファームにも行ってみっか。

 裏道をうねうね走るとすぐ現れる案内板。ガラガラの駐車場にバイクを停めてメット+合羽のままで侵入。だって普通に雨なんだもの。これが一番濡れないでしょ?(笑) それにしても写真で見たことがあるこの景色。一面に広がるラベンダーは圧巻だった。


こんなにラベンダってる土地は初めて見たぜ!(笑)

色とりどりに他の花も植えてある
 場内をウロウロしつくして、ベンチに座り、暫く雨宿りとかしてみたが、雨脚は強まるばかり。晴れてたら凄い景色なんだろうけど…仕方がない、ここはまたリベンジしに来るしかないなぁ〜。涙の勇退となった。

 ここで、デジカメが若干不調になる。濡れた手で操作していたせいか雨が内部に入ってしまったようだ。この手の機器は生活防水が当たり前だと思っていたがそうでもないんだね…。ちょっと気を使いながら富良野を後にする。

■ 降り続く雨
 R237を北上する。美馬牛駅あたりから伸びる、西11号線。通称、ジェットコースターの道と呼ばれるこの道は、急なアップダウンが連続して本当にジェットコースターのように走ることが出来る。うひょ〜と奇声を上げながら走ってみた(案外楽しめるよ)ものの…ずぶ濡れの路面ではそれを楽しむ気持ちも半減。とりあえず写真だけ撮って引き返した。この道は全部走りたかったなぁ。


写真じゃ伝わらないけど、消えては現れる道が連続する
国道じゃないので往来する車はゼロ
 R237を美瑛方面に向かう。美瑛といえば綺麗な丘。それに、なんたらの木やらなんたらの丘やら、有名な撮影スポットが幾つかある。全部回っても良かったが、ソコまでして見るまでもないよなぁ(薄情)と思い、幾つかだけちらっと見て退散。雨はまぁいいんだけど、寒さがちょっときつかった。


ちょっと遠いけどセブンスターの木(だよね?)
北海道の丘にはこの手の一本だけの木がちょいちょいあった

こちらはケンとメリーの木
予想以上の大きさにちょっとビビる(笑)
 一通り見て回ったけど、強まる雨に気持ちがめげる。デジカメもいよいよ誤動作するようになってしまう。叩くと中から水滴が出てくるのでかなりマズイ感じ。カメラが死ぬとかなりマズイので雨の中の撮影は少し控える。

 R237を走り続け、旭川を通ってR12に乗り換える。流石は大都市だけあり、久々に繁華街?を走る。途中、d57で深川方面に進むと、幾らか雨が弱くなってきた。路面も少し乾いていたが、トラックが多くてペースは上がらない。相変わらずの寒さもあったのでホクレンで給油と小休止を取る。


空の低さは相変わらず。路面もまだまだ濡れてます。
この道の直線具合も結構ナイスだったんだけど。
 その後は結局R275を北上し、R233で留萌に抜けるルートを選択。途中の北竜でひまわりでも…と思ったが、なんとなくスルーしてしまった。道沿いに目立つようなひまわり畑は見当たらなかったが、今思えばもうちょっと散策しても良かったかな、と後悔している。(下調べ不足) まぁ時期的にひまわりはまだちょっと早いかもしれないし、何より天気が悪いといい景色も感動が半減しちゃうんだけどね。

■ これぞ北海道の道!
 留萌を抜けると海沿いのR232になる。ここからは延々海岸線を走るルートだ。オロロンラインと呼ばれる道で、北海道らしさナンバー1の道である。雨は幾らか弱まり路面も乾いた部分が出てきている。横風が凄くて運転には気を使うが、寒さはそれほど感じない。天候的には幾らかマシになってきたかな。

 暫く進むと、初日に出会ったほっしゃんに教えてもらった小平(おびら)の海鮮屋を探してみる。なんでもコストパフォーマンスが良いとのことで、新鮮な海鮮をたらふく食べられるという。道行く看板に目をこらし、一度通り過ぎてしまうものの、無事にお店を発見! 11時半頃という時間もあってすんなり席に通され、ライダーにオススメの欲張り丼とやらを頼んでみる。+200円でホタテが付くとのことだったので遠慮なくトッピング。確かコレで1500円。出てきた丼を見てビックリ。こりゃ確かに欲張りだね!(笑)


なんと海鮮丼と天丼がセットになって欲張り丼ということらしい

トッピングしたホタテの太さにビックリ
もちろん他の刺身も大変旨かった
 次々とライダーが入店してきてあっという間に満席。外には長蛇の列。ベストタイミングだったようだ。濡れて冷えた身体に、美味しい食事はありがたい。ガツガツ食べて元気が回復! これから先の活力を得る。ほっしゃん、どうもありがとう! 大満足!

 お腹が満ちたら先を急ぐ。途中、鰊御殿を横目に(結構立派だった)延々海岸線を走り続ける。所々にある風力発電の風車を見上げながら、ひたすら北を目指してひた走る。雨は降ったり止んだりを繰り返し、海からの横風は相変わらず強め。なんだかちょっと修行みたいな心地だったけど、だーっと走り続けて(一言で書いてるけど1時間以上走ってますから!)道の駅てしおに到着。この時点でデジカメが完全におかしくなってしまう。


走り続けるしかない直線路(笑)
このデジカメの最後の写真
 雨でおかしくなったデジカメを鞄にしまい、予備のデジカメに切り替える。何を隠そう、電池切れを懸念して予備のデジカメを持ってきていたのだ。変なところで大事をとる自分の性格にちょっと笑う。いつもはこんな安パイ思考じゃないんだけどね。(笑) メインが直るまで(直るのか?)の代替機として頑張って頂こう。

 出発してすぐのホクレンで給油したらここからが本当のオロロンラインらしい道となる。海岸線のd106に乗り換え、北上する。暫く行くと遠くに見える風力発電の群れ。遠くからでも確認できるのでその姿を発見してしまった時は思わず笑みがこぼれてしまった。出たな…?的な。(笑) ぐんぐん走っていくとどんどんその姿が大きくなる。流石に真横を走る時の迫力は凄かった。どんだけ発電してんだよ!ってツッコみたくなる程元気よく回転している。


これだけの数の風車が回転する様は圧巻!
でも実は止まってるやつもいたりするんだな。(笑)
 暫く走るとガードレールも雪の時の車線案内も何もない道路に変化する。これぞ北海道の道! 雪が降ったらどこが道だか分からない! でもいいんです。まっすぐだから。どうせまっすぐだから。(笑)


まーーーーっすぐなんですよ
 北緯45度モニュメントや非難ドームは快走中につきスルーしてしまった。何もないところでいきなり出てこられても止まれないっての。(笑) うざいトラックを抜いた後だったりすると、尚更停車はしたくない気分だったりする。(本末転倒だなー。と反省。(笑))

 そういえば、北海道の畑ではこんな光景をよく目にする。牧草ロールっていうんですかね? 牧草を丸くまとめて円柱状にしたもの。これが畑の至るところに点在してる。こんな感じのお菓子があったような記憶はともかく、畑一面にこれが転がってるのは、関東では見ることはない景色の一つだろう。


おいしそう?な牧草ロール
遠めに見ると鹿の糞みたいな見えるんだな(笑)

白バージョンも取り揃えております(笑)
 あ〜、これぞ北海道。ベスト1に輝くのがよく分かるねぇ。しかし延々高速走行を続けるのも中々楽じゃない。こんな時、スクーターの楽さに感謝だね。基本片手運転でOKだし伏せれば無風。実に快適だ。

■ 最北端の岬攻め
 抜海を抜け、稚内に近づくとd254に乗り換えて宗谷岬を目指す。気温はどんどん低くなり、グリップヒーターを切ることが出来ない。うーむ。なんだかとても寒くなってきたぞ。昼に食べた海鮮丼パワーも徐々に弱まってきていた。最北端はまだかー!

 暫く行くと出てくる野寒布岬の看板。厚い雲で暗くなった港を通り、看板通りに進むと野寒布公園に到着。バイクを停めてオブジェ?を見に行く。この時点で余裕で鼻タレ小僧になってます。合羽着てても普通に寒い! 風が強くて雨が横なぶり! 北海道って寒いんだね!(笑)


時間はちょうど三時過ぎ
お昼食べてから3時間でここまで来れたワケね
 ほっしゃんの言うとおり、ここは何にもないただの岬だった。(笑) ほっしゃんは酷評してたのでどんなもんかと思ってたけど、イルカのよく分からないオブジェとノシャップ岬と書いた看板だけが、それらしいものであった。最北端のすぐ横にあるとは思えないほど、普通の岬だった。

 気を取り直して、さぁて、次は宗谷だろ宗谷!と思って地図を見ていると、フェリーで隣りに停めたFZRな人と出くわす。貴方はあの時の!みたいな感じでちょっと雑談。今日はキャンプしないほうがいいですねぇなんてアドバイスを頂いたらキャンプ精神がポッキリ折れる。強風の中のテント設営は未経験。しっかりロープで固定してないが為にテントごと吹っ飛んでる動画を見てビビッてたのは内緒。(笑) 大人しく今日は施設のお世話になることにしよう。

 周辺の民宿やらビジネスホテルを探すもイマイチ見つからない。あっても高かったり…。でも当初行く予定だった猿払付近で一件よさそうな宿が見つかる。早速電話してみると予約が取れたので今夜の宿はそこに決定。寒い中、雨に打たれて一日中走り続けたんだもの。キャンプじゃなくてもいいじゃないか。アッサリ全泊キャンプの野望は砕け散った。

 宿が決まれば心にゆとりが出来る。さっさと宗谷を制覇してこよう。d254からR238と進み真っ暗な空の下、海岸線をひた走る。1時間弱ほど走ると突然現れる宗谷岬の駐車場。流石にこの天気じゃ観光客も数えるほど。バイクは一台もいなかった。


日本最北端の地を制覇!
ガラガラだから撮り放題!(笑)
 国道を挟んだ向かいにある公園にも上ってみたが、いかんせんこの天気じゃ何も見えない。実に残念だった。天気が悪いってのはホントによくないことばっかりだなー。とか、悪態ついてもどうしょもないので潔く撤退。勇退と言って差し支えないだろう。(笑)

 公園を出たらすぐにある出光は、最北端のGSとして記念品をプレゼントしてくれる。例に漏れず給油して記念品を頂いた。寒い中ご苦労様です。(記念品の写真はない(笑))

 気合を入れ直して猿払村を目指す。道の駅に温泉があるとの情報があったので、とりあえずそこまで行って疲れを癒したいところだ。海はシケてて海岸線はモヤっぽくなっている。海からの横風に煽られながら誰もいない海岸線を高速移動する。


海からしぶき?が上がってモヤる海岸線
 30分くらい走っただろうか。道の駅猿払に到着。ここは温泉が隣接していて、キャンプ場も完備されているのでライダーには人気スポットらしい。(ほっしゃん情報) 温泉らしき建物に行ってみると、入り口に大きな張り紙で「ウチは沸かしてます」のお断りが。どうやら天然温泉ではないらしい。そうか…なら宿の風呂と変わらないから入るまでもない。トイレ休憩だけして今夜の宿に向かうことにする。

 道の駅から数分戻ったところに今夜の宿はあった。いこいの家 はました。ビジネスホテル?ということなんだが、民宿のようななんとも言えない感じ。一緒に泊まってた人は地元のドカタの人?っぽい人が多く、道内を泊まりで仕事に来ている感じだった。移動に時間が掛かる道内のこと、こういう仕事のスタイルが当たり前なのかもしれない。とか勝手に勘ぐってみる。(笑)


ビジネスホテルとは言いがたい外観
 暖かい部屋に入るとホッと心が安らぐ。いやぁ結局今日も走っちゃったな。冷えた身体を温めるべく即風呂に入り、食堂で他の客と共に食事をとる。他の客はグループだったので一人静かに食べたのさ。料理は別に期待はしていなかったが、ご飯をしっかり食べれたので満腹になった。必要十分な食事、といったところ。


ホタテの刺身に根魚の煮物、エビフライの卵とじなど
普通に食べれて満腹になった
 部屋に戻ると早速暖房をつけて濡れたものを乾かす。デジカメも吹き出し口付近に置いて熱し、ダメ元で乾かしてみる。着衣や雨具も一緒に乾かし、電気機器の充電をセットしたら就寝。布団で寝るのが快適なのは当たり前。道内二日目の夜も早々に更けていった。なんだかんだで今日もよく走ったようだ。しかし寒かったなぁ…。


▼ 本日の走行距離:473km(給油3回)


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