2009 北海道ツーリング記
<一日目>
晴れ
( 2009年 7月 12日 (日))

■ 定刻通りの下船
 カーテンを閉めると密室になるせいか、ちょっと寝苦しかった2等寝台。深夜に起きては甲板に出て、微妙にかいた寝汗を涼みに夜風を浴びる。海風が心地よい。(けどずっと浴びてるとベタつく) あ、でもね、夜の海って結構不気味で怖いよ。真っ暗で波の音しかしない。落ちたら…なんて考えるのは不安症の典型ですか。(笑) そんなこんなで船旅ならではの気分を味わいつつ、なんやかんやで日も明けて、午前4時半に小樽港に到着。天気は…快晴ではないもののそこそこの青空が広がっている。ついに来たね! 北海道上陸だぁ!

 嫌でも上がるテンションを抑えつつ、下船の準備。2輪の下船は最後なので誰もいない寝台室でしばし時間を潰す。隣りのオヤジが置いてったプレイボーイを見て上戸彩の良さを再確認する。(笑) そして5時頃。2輪下船のアナウンスと共に車輌甲板に降りて荷物を車載。準備が出来た人から下船していく。皆、手際よく荷物を積み込んで次々と下船していった。


北海道に上陸!
さぁまずはどこへ行ってやろうか。朝5時という時間帯のせいもあるが街中はガラガラ。路肩が広い国道を走りながら、「こ…これが北海道か…」とさっそく頷いてみる。(ただの国道です) この天気なら今日の作戦は反時計回りに一周して札幌辺りに抜けるルートでいけそうだな! 幾つかルートを考えておいたんだけど、まずはプランAでご案内だぜ! 絶景ポイントとして名高い積丹岬神威岬を見て回ってくることにする。

■ 初めて走る道内。まずは岬攻め。
 時間が時間だけに、車の数が少ないのも、流れが速いのは分かる。しかし一般道で80km/h以上で流れているこの道はバイパスだったっけ?と思う程のハイペース。前を走るサーフがどんどん小さくなっていく。

 「こ…これが北海道か…」(2回目)

 まぁある意味これが北海道なんだね。(笑) いいペースで流れてるけどそれなりのルールがあるんだな。(ってのは後で身をもって知ることになる)

 さて。天気がよさそうなのでとりあえず近場の名所である積丹岬に向かう。R5を西に向かい、幾つもの不思議な岩を横目に海岸線を走る。気温はちょっと肌寒いかな?程度。時間が早いから日が昇れば暖かくなるでしょ。


かなり不思議なこんな岩を発見し、思わずパシャリ。
どーやったらこんなのが出来るんだろね?
 余市でR299に逸れ、快走しているとd913の標識が現れる。右折して積丹岬へと進路を取る。暫く森林の中を気持ちよく快走すると、駐車場っぽいところに辿り着く。ここでいいのかなぁ〜? 先着の本州ナンバーのバイクが何台か止まってるね。あの便で来た人は大体みんな似たようなルートになっちゃうよね。

 早速メットを脱いで岬のほうへ。この道がまた朝から激しい坂路だった。思えば岬の先っぽまでバイクでいけるわけもなく、先端までは徒歩で行くことを考えるとそれなりに身軽な装備にしておいたほうがいいと思う。(教訓1) コテコテのライダー装備だと歩きにくい&暑いことこの上ないよ。到着数時間にして一つ学んだのだった。って言っても自分はライダーらしい装備を何も持ってないんだけど。(笑)

 辿り着いた岬は、予想通りの絶景。息を切らしながらでも見る価値のある積丹ブルーってやつですか。広大な大自然を感じる瞬間である。


絶壁の下は真っ青な海。朝日が眩しく清々しい。

積丹ブルーってのはこんな感じのことなのかな?
 一通り景色に見入ってみる。朝からこんな絶景を見れるなんて、流石は北海道。(違います) 自然派な自分としては既に感動の域に達している。(割と感動屋) 初っ端からコレじゃあ、これから見れるであろう数々の大自然に、期待が膨らんじゃうよね。

 バイクに戻って次は神威岬に向かう。こちらは積丹岬とはまた違う感じらしい。R229を暫く行き、看板どおりに進んで岬に入る。どうやらここの観光は8時かららしく早朝は開いてないらしい。でも先に来たライダーがオーナー?と掛け合い、開けてもらったとのこと。オーナーさんも朝早くからご苦労様ですた。

 さて、この神威岬。先っぽまで行くのは結構な距離を歩くことになる。ちょっと迷うが折角なので延々歩くことにする。ここまで来たんだからね。ちゃんと見ないとね。


先までは結構歩くことになりそうですよ
 じわりと汗が滲んでくる。息も上がってくる。最近、こうなってくると歯が浮くような感じがするんだが、これってヤバイのかな。教えて分かる人!(笑) ヒーヒー言いながらも一切そんな表情はせずに歩き続ける。いつだって俺はダンディズム。息切れなんてしちゃいないぜ。って経緯があって、先端に辿り着くと、そこには見事な景色が広がっていた。海の広さと崖の重なりがヤバイくらいに広がっている。暑さも忘れるってなもんだ。


逆光でうまく見えないけど段々になった崖が凄かった

ここの先端にも何とも不思議な岩が立ってます
 ひーこら言いながら駐車場へと戻る。(もう限界(笑)) 朝から岬2発制覇。中々いいじゃないの。天気も雲が多いけど雨にはならなそうだし。とりあえず今日は期待できそうだね。でもまだまだ心の中では緊張している自分が居た。

■ 豪華な朝食
 北海道ツーリングの醍醐味といえば食である。海鮮好きとしては色んなものを食すべく下調べしたのも事実。まずはゼロ円マップで調べておいたウニ丼の店、なぎさ食堂に行く。なんでもここは4:30に小樽に着くライダーを狙って早朝から営業しているらしい。その心意気に感謝だよね。

 神威岬でも見かけたライダーたちの後について店内へ。幸い、今から営業するよといった感じでタイミングよく入店&着席できた。この時点で朝8時。(普段は客が来るまで営業しない感じだった) すると、朝取りの雲丹をサービスで食べさせてくれるという。最初に入店した5名様限定だって! いきなり嬉しい配慮。おばちゃんありがとう! 針が動いてる雲丹をそのまま食べるのは、いつ以来だろうか。バフンではなくムラサキだったが、十分に甘くて美味しかった。初っ端から贅沢すぎてヤバイね。(笑)


生きている雲丹をスプーンですくって食べる
海水の塩味が効いてそのままでもとても美味しい

30分待って出てきたのがこちらのムラサキウニ丼(2000円)
わさび醤油なしでも十分濃厚で美味すぎる!
 ここで隣りに座った、ほっしゃん激似のライダーに話しかけられた。「どこからですか?」から始まる他愛のない会話。思わぬ地元民との遭遇に、自分の考えているルートや見所を色々聞いてもらった。彼の評価は上々だった。札幌在住の彼は夏になるとこの店にウニ丼を求めて走ってくるらしい。北海道内でもここのウニはレベルが高いと言っていた。

 ついでに、地元民ならではの情報を教えてもらう。今日はこれから洞爺湖、支笏湖を回る予定だったので、その辺の情報などを。ベストオブ岬、道、湖などの情報も教えてもらい、彼の情報がこの後十二分に役立つことになる。

ほ:「そういえばタダでお腹一杯になれるところがありますよ」
ご:「え!?そんなスポットがあるんすか!?」
ほ:「うん、ここのアレは試食し放題なんですよ。(笑)」
ご:「試食か〜い!(笑)」

 旨すぎるウニ丼に舌鼓を打ちつつ、地元ならではのぶっちゃけトークの後、彼とは別れた。自分はずっと敬語だったけど、多分彼は年下だろう。(笑) こうみえて、何気に20代半ばに見られることが多いんさね。 ちなみに彼は真っ赤な忍者乗りだった。ほっしゃん、ありがとう!(笑)

■ ライダーらしいチョイス
 9時過ぎに店を出てR299をひたすら海沿いに南下する。幾つか長いトンネルを抜け、崖と海岸の境目を快走する。気温も上がって心地よい感じになってきた。あ〜気持ちがいいよこのペース。やっぱりツーリングは晴天じゃないとね!


なんでもないところも凄い景色だらけ
 R299を延々走ると岩内町に入る。市街地に入ると、通りすがりにドコモショップを発見! 実は携帯の充電器を忘れてきていた。(あんだけ注意してたのになー) そそくさと店内に入り、充電器のみをポイントで購入。当座の出費はゼロで助かった。その後、すぐ先のJOMOで給油。道内初給油で、燃費は23km/lと思った以上に良かった。80km/h巡航が多いから当然だよね。

 ここからはバイカーらしく走る道を選んでみる。d66、ニセコパノラマライン。羊蹄山を左手に望むまで延々ワインディングを楽しむ。荷物満載でも結構なペースで走り抜けることが出来た。やっぱりバイクはこれだよねぇ…。(笑)


北海道の富士山(なの?)である羊蹄山は雲をかぶってた
 羊蹄山が左手に見えてきた頃、道沿いの左手に湧水がある。その脇にある豆腐屋。ここが、ほっしゃん情報その1、試食し放題のお店らしい。早速バイクを停めて恐る恐る中に入ってみる。

 凄い種類の豆腐が所狭しと並び、老若男女を問わず皆こぞって試食に勤しんでいる。(笑) 一緒にその中に入り色々試食してみたが、どれもこれもとても美味しい! 綺麗な水があるお陰か、コクと甘みがあって本当に美味しかった。

「こ…これが北海道か…」(だから違います)


沢山の種類の豆腐と試食に群がる人々(笑)
 満腹にはならないまでも、十分つまみになった。夜までの時間を考えると悪くなってしまうと思い購入は断念したが、次回は必ず買って帰りたい美味しい豆腐だった。決して買わなかったことのイイワケではない。(笑)

 d66をそのまま進み、R230に出たら右折して洞爺湖方面へ。途中の道の駅で地物のお米を購入し、夜の炊飯に備える。基本、米があればどうにでもなるしね。暫く行くと現れる展望台で洞爺湖を眺める。気候のせいでちょっと霞んでるけど、うん、やっぱり綺麗な湖だね。ホントはサミットやった頂上から眺めたかったけど道もわかんないしダリーから諦めた。(笑)


富士五湖なんかと比べるとちょっと雰囲気違うね
 湖畔をぐるっと走り、昭和新山の標識を横目に(ちょっと寄ればよかったなぁ)R453で支笏湖方面へ。R276に入ると雲が増えて霧がかってきた。14時頃、支笏湖畔に到着。ここは観光地らしく様々なお店が軒を連ねて観光客を歓迎していた。その中の一つの店で姫鱒を食してみる。なんとなくで選んだお店で姫鱒天丼をオーダー。980円という値段に釣られてみたが、味は可もなく不可もなく。まぁこんなもんだぁね。


これで980円は安いけど…
刺身にしときゃよかったぜ
 食後は湖畔をぶらぶら散歩してみる。湖は岸から眺めることしか出来ないのでその透明度までは分からなかったけど、水が澄んでて綺麗なのはここからでもよく分かった。スワンにでも乗って一周したらまた楽しいんだろうねぇ…。


スワンは沢山あまってたけどね
なぜか何気に韓国人客が多かった気がする
 少し気温が下がって身体が冷えたので、向かいの温泉に入ることにする。800円の入浴料は安いとはいえないけど、天然温泉ならまぁいいかと汗を流してあったまる。ふ〜、昼間から温泉なんて贅沢だよねホント。せかせかしがちな一人旅、のんびりする気持ちも忘れちゃいけない。

■ あとはひたすら北上
 さてと。ここからはとりあえず移動タイム。明日に向けてなるべく北まで行き、適当なところでキャンプする予定。どこまでいけるか分からないけどとりあえず行ってみよう。

 R276からR453へ。見ようと思ってたオコタンペ湖は、ほっしゃん情報により行くまでもない(秘湖すぎて見えないらしい)とのことなのでスルー。d117へ抜け、幾つか滝を見たりしながら恵庭に抜ける。恵庭で給油し、d45でひたすら北上。途中からR337になるこの道も、直線過ぎて笑えた。実に北海道らしい道だよね。


果てが見えません(笑)
 名もない道を通りd30で草原地帯を走りぬけ、R12に出たら右折して北上。美唄の日本一長い直線路(40km弱)を走ってみる。ホントにどこまで行っても直線だった。果てが見えな過ぎて、全然日本一な感じはしなかったんだけど。(笑)


全く果てが見えません(笑)
 17時も回り、そろそろ寝床を確保しないと…と思い、目星をつけておいた上砂川奥沢キャンプ場に行ってみるも、駐車場からキャンプ場までの距離が長すぎるので断念。(荷物が重すぎるので乗り入れ可が理想) 困ったなぁと思い、近くにあったかもい岳キャンプ場に行ってみるものの、キャンプ場が見つからず…。うーん、もうちょっと縮尺細かければなぁ<ツーリングマップル。縮尺が大きいので結構大雑把なんだよね。

 地図を見てると、一台のバイクが近づいてきて「どうしました?」と。ウォーリーを探せ!のウォーリーみたいなナイスガイだった。聞いてくれよウォーリー、地図にあるキャンプ場が見つからないのだよ! するとウォーリーはここでキャンプするなんてお宅、マニアっすね?とかよく分からない反応を示す。(笑) いや、マニアとかどうでもいいからキャンプ場を教えれ!って言ったんだけど、流石に地元の人間じゃないから分からないとのこと。まぁそうだろうね。ウォーリーは探される側だもんね…。

 とか思ってると、ジャージ+便所サンダルの明らかな地元オーラをまとったオッサンが「どうした!?」と絡んできた。キャンプ場を探している旨を伝えると、ソコの下でテント張っていいぜ!とか言い出す。(笑) なんだこのオッサンは!?と思っていると、どうやらすぐそこのレストハウスの従業員らしい。何か言われたら俺に許可されたと言っていいとまで言ってくれ、すぐ下にあるキャンプ場らしきところで野営することになった。(ちょうど上記やり取りがあった場所からキャンプ場は見難い位置にあった) そしてウォーリーはその後、TDMに乗って札幌に帰っていった。(実は彼は横浜人で、北海道病に冒され札幌に移住してしまったという変わり者だった。この手の患者は年間数人出るらしい。(笑))

 そんなこんなで無事にキャンプ場らしきところに辿り着いた。サイトは5つしかない小さなキャンプ場。バンガローも5つほどあった気がする。規模は小さいが炊事場とトイレは綺麗、電源もあるし、一応芝だし、環境的には中々良かったんじゃないかな。


敷地は普通に見渡せる程しかない

19時過ぎにようやく寝床確保
 なんだかんだと一日疲れたのと、すぐ近くに有名な松尾ジンギスカンの店があったので今夜は外食にする。15分ほど走って滝川の街に入り、お店に入る。営業時間ギリギリだったようだが食べ放題をオーダー。2100円でラムをたらふく食べまくる。臭みがなくてとても美味しい。流石に老舗だね。間違いない。


キャベツにもやし、うどんも煮込んでご飯も食べちゃった
 黙々と食べていると閉店のご挨拶があったので退散。量が多くて大満足だったけどちょっと食べ過ぎたね。でも北海道のジンギスカンは食べてみたかったのでここで制覇できてよかった。

 その後、テントに戻り(この道が真っ暗すぎて怖かった)、今日の反省をして一人静かに過ごし、23時ごろ就寝となった。

 距離は結構伸びたけど、天気がいい時に走っちゃうのは当たり前だから仕方ない。このペースでいくと、当初の作戦通りに回れそうだ。なんとなく手応えが掴めたので明日からまた走り回るとしよう。



▼ 本日の走行距離:520km(給油3回)





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