2009 北海道ツーリング記

北19号 直線路

2009年7月

■ 夏の予定は突然に
 毎日、満員電車に揺られる続けること10年。いや、学生時代から考えたら15年か。満員電車ってコツがあるんだよね。色んなヤツがいるからね。って話がいきなりズレてんな。(笑)

 はい、というわけで、気がつけば勤続期間は10年を超え、その慰労(って程でもないんだけどね…(笑))ということで、ささやかながら会社より休暇とお小遣いが貰えることになった。その名もリフレッシュ休暇。10年単位で発動する、下級社員にとっては一大イベント。

 当初、この休暇は海外旅行に使おうと計画していたものの、豚インフルエンザの蔓延や当てにしていた先方の都合がつかないこともあり、今回は渋々断念。どうすっかなぁ〜と国内に目を向けてみれば、「あれ?北海道って行ったことなかったなぁ」→「んじゃ行ってみっか!」という、実に単純な思いつきで、今回の北海道ツーリングが決定したのだった。ホントに気まぐれな突発企画だったんだな。(笑)

■ フェリー予約
 基本的に準備に長時間掛けるタイプじゃないので、2ヶ月も猶予があると何をしていいのやら分からない。必要物や道具などは直前にまとめたほうが間違いが少ないだろうし、前もってするほどの準備ってあんまりないわけで。とかいって、いつも前日にバタバタして、結局忘れ物多数!となるから不思議でならない。(いや、ちゃんとやろうよ自分)

 しっかーし!フェリーは別。こちらはピッタリ2ヶ月前から予約が可能なので、予約するなら早いほうがいい。そそくさと希望の便を押さえることに成功。微妙にオタクなんで、その前に色々インターネッコで調べたけど、結局、新日本海フェリーが一番安かった。大洗発着の三井商船フェリー?は片道2万超えるんよね。結構デカいと思うよこの差は。ルートは往路は新潟−小樽、復路は苫小牧−新潟の便にした。乗船日が土日に絡む関係で、往路と復路で乗降港が違うことになったが、どうせバイクで走り回るから港はどこだって構わないからね。ちなみにこのルートで往路13,800円、復路が13,050円で合計26,850円。大人1名、750cc以下、往復割引適用。

 フェリーが取れると途端にリアルになってくる北海道行き。予約確定ボタンを押すのをちょっとためらったのは内緒。(笑) その辺の心境については以下に続く。

■ 募る不安
 不安もあった。あったっていうか不安だよ普通に。(笑) 何しろソロキャンプの経験が皆無だし。ソロじゃなくてもキャンプ自体のスキルも乏しかったし。幼き日、家族で出かけたオートキャンプの経験が多少あるとはいえ、それはスキルに入らないくらい微々たるものだし、キャンプしながら各地を点々とする生活なんてしたことがない。ツーリングといえばせいぜい宿に一泊レベルで、長期に渡る経験もゼロ。

 いやホントマジでガチに不安だぜ。(笑)

 でもね、行けば何とかなるもんだって。海外に行くわけじゃないんだし、携帯も言葉も通じる世界の話じゃないか。不安に思ってたら何も出来ない。そう思って飛び出すことにした。ぶっちゃけ命に関わる事態ってのはよっぽどだしね。ビビってんじゃねぇ!と。今となってはその決心が全ての始まりだったわけだけど。

■ 2ヶ月前からの準備
 北海道行きが決まったのが5月の後半。2ヶ月あるこの期間に出来ることと言えば、キャンプである!(っていうかそれしかない(笑)) 毎週のように道志に通っては、予行練習と称してキャンプのスキル向上に努めた。テント設営の手間、自炊法、安眠法、害虫対策など、メキメキ上達していった。(自己満とも言う) 結局6月は、梅雨だというのに毎週末キャンプを達成。(笑) 周りは狂っちまったと思っていたようだが、そんなことはない。すべては準備だと思うと色んなものが見えてきて実に楽しい。結果、持って行く道具の選別や燃料、食料など、かなり絞れてきた。不安はどんどん薄くなっていく。

 あと大切なのは地図ね。観光ガイド的なものも色々見たが、結局買ったのはツーリングマップル(北海道版)であった。肝心なところで縮尺が大きく、イマイチ使いにくい印象(個人的に)のツーリングマップルだが、本のサイズもさることながら、コンビニやスタンド、キャンプ場情報が載っているのは大きかった。実際、スタンド情報は次の給油ポイントの目安になるので実に役立ったね。他に買ったのは北海道ゼロ円マップ。これは北海道行きが決まった日に衝動買いしてしまったもの。主にライダー目線の観光スポットやグルメ情報が載っていたが、まぁまぁ役立った。

 あとの準備は車両のメンテナンス。とりあえずはオイル交換。タイヤは半年前に換えたばかりだし、ブレーキ関係も問題なし。気になるところはないので大丈夫かな。


2009年7月11日(土)

■ 出発当日
 7月10日金曜日。定時で仕事をそそくさと切り上げ、帰宅して荷物を積み込む。自分なりに厳選した(ハズの)荷物は、やはり少し多すぎた。だってさ、色々持っていくことで不安が少しでも減る気がするじゃんね…。でもそれは間違いだった。(笑)(後日談:結局一度も使わなかったものもあった) 膨れた鞄を玄関に置いて早めの就寝となる。

 そして明朝。4時過ぎにアラームで目覚めると、荷物を車体に縛りつけ準備完了。ETCがカードを認識する音を確認したら、いざ出発! 北海道行きが幕開けだ!


行って参ります!
 港北ICから第三京浜に上がり、環八で関越練馬ICまでは1時間弱。天気は曇り空で少し肌寒い気温。(とはいえロンTで十分) TMAXの調子は上々で、アクセルに忠実に付いて来てくれる。やっぱり風防とノークラッチのお陰で、疲れ方が全然違うからね。

 本当はスポーツスターで来たかった今回のツーリング。広い台地をアメリカンで走るのは憧れだったんだけど、大事をとってやめといた。諦めた理由としては、たまに出る電気系の不調が気になったのと、悪天候時の耐性の低さ(風防がないとすぐびしょ濡れになる&エアクリむき出し)、機動力の違い(100km/h巡航の楽さ)、あとは積載量の違い、などなどであった。いずれは荷物を少なくして、ハーレーで流すツーリングを北海道でしてやろうと思っている。

 ひたすら新潟を目指す。関越道は冬のスキーシーズンにしか走らないのでなんだか変な感じである。湯沢IC付近をこんな速度で走ったのは初めてかもなー。(といいつつ100km/hちょいだけど) 赤木高原SAで初給油。関越トンネルを過ぎると雲が増えて少し降られるが、なんてことなくやり過ごす。時間的には余裕があるので越後川口SAで小休止。ここまで来ると荷物満載のバイクがチラホラ現れる。


新潟に入ると曇り空でちょっと雨にも降られた
 関越道を延々走り、新潟亀田ICで降りてフェリー乗り場に向かう。のが、正規ルートなんだけど、確認不足で次のICまで走ったのは内緒。(笑) 空港に近かったよなって知識があったので、空港を目指して戻れば行けるべって感じで難なく辿り着けた。早速野生の勘を働かしちゃったな。でもこの勘に何度助けられたことか。

 一度フェリー乗り場を確認し、少し戻って市街地で給油と買出し。船の中での昼・夜の食料を入手。フェリー内にもレストランはあるらしいが、高い&大したことないとのことなので今回は遠慮した。今思えば食べてみても良かったな。

 あ、ちなみにこの時点でいつもかぶってたキャップを紛失。どうやら高速道路で飛んでったらしい。ベルトにフックみたいなので止めておいたんだが…あぁ、サヨウナラマイキャップ! そしてありがとう!

■ 乗船!
街中の案内にしたがってフェリーターミナルに到着。建物の中で乗船手続を行う。って、初めて知ったよね。(笑) 見よう見まねで自分の名前や車輌番号、往復の便名、予約番号などを記入して窓口にて受理されると、乗船券がもらえる。帰りの分も貰えるので帰りはこの手続は不要。


人でごった返す乗船手続窓口
 ここで、初のミスを犯す。(もうかよ!(笑)) フェリーの予約番号を控えていたのだが、その番号が間違っていた。一度車種変更で予約を変更していたんだが、変更前の予約番号をメモしてきたらしく、本来の復路の予約番号が分からなかった。実家に電話してPCを操作してもらい、なんとか情報を聞き出す。PCを遠隔説明するのは大変だね。(姉貴、起こしちゃってすまんかった) まぁ予約番号はなくても名前やバイクの番号で照会出来たんだろうけどね。で、往復の乗船券を受け取り、バイクに戻っていよいよ積み込みとなる。


左手の乗降口から乗り込む。船は思ってたより巨大。(笑)
 既に何台もバイクが積み込まれていた。係員の指示に従って順番に船に乗り込む。初めてって何でも緊張すんね。前の車両に続いて順番に指定された場所に停車し、ハンドルロック&サイドブレーキ、ギア車は1速に入れるよう指示される。ハンドルロックしかないぜ!とか、まぁいいみたい。(笑) その後、車載している荷物を降ろし、網棚かバイク横に置いてバイクを軽くする。転倒防止の為だろうね。そして自身はお泊まりセットを持って客室へと向かう。


積み込み完了。バイクがびっちり並ぶ。
荷物は手前の網棚の上に置く。
 車輌デッキから案内所へ行き、部屋番号を指定されたらその部屋に行く。(ここで初めて部屋が決まるんだねー) 予約しておいた2等寝台は対面の2段ベッドが並ぶスペース。狭いながら一人分のプライベートスペースは確保されている。今回は何も分からないので言われるがままに上段ベッドへ。起き上がると天井に頭が付くほどのスペース。(こう見えて座高はそれほど高くないんだからな!) 贅沢いえないけどちょっと狭いよやっぱ。寝相が悪い人は余裕で落ちるであろう小さなガードも不安だね。

お世辞にも快適とは言えないスペース


 もっと安い雑魚寝の寝台も見たが、一人であそこに寝るのは、ちょっとキツイでしょー。隣りとの隔たりもなく文字通り雑魚寝なので、プライベートも何もあったもんじゃない。隣りが美女ならいいけど、オッサンとかファットガイだったりしたら寝れっこないよ? イビキングとかネゴトマンとかも相当キツいでしょ。何より、その部屋でグループが宴会でも始めようものなら、部屋中酒っぽくなってたまらんスメルを発していた。でもそこが旅の出会いの場としていいという人もいるから、好きな人はそれでいいんじゃないかな。(笑) とりあえず自分は遠慮したい寝台だった。体格的にもちょっとキツいだろうし。

 10:30定刻に新潟港を出港。この時点では天気は良くなっており、青空が見える。甲板に出ると、海風がとても心地よい。これから1週間、どんなドラマが待っているんだろうか。ここまで来るともう期待で胸が一杯になり、一人旅をしている自分に酔えて来る。自然とにやける顔。(端から見れば普通に危ない) 船も思ったより悪くないじゃないか。外の見えるロビーのソファーに腰掛け、地図を開いて明日からの作戦をざっと確認。ゼロ円マップの口コミを見直しながらまずは初日のルートを考える。とりあえず明日は晴れそうだね。


青空と海風が高ぶる心に吹きすさぶ。(笑)
 食事時の18時前後の空いている時間を狙って入浴。浴槽の湯が船の揺れと共に揺れるのは、波のプールみたいだと思った。でも普通に銭湯と変わらない感じが、ホントに船の中なの?って気にもなる。 サッパリしたらサッポロクラシックで喉を潤し、軽い食事のあと早めの就寝となった。隣りのオヤジのうめきが煩かったけど、朝早かったせいかアッサリ寝落ち。隣りのオヤジ、多分どっかの雑魚寝部屋から非難してきたっぽかったね。空いてればそれはそれでアリかもしれない。

 さぁ、北海道! 始まるぞー!



▼ 本日の走行距離:363km(給油2回)




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